「え?ええ、まあ」
「お煙草はお吸いですか?」
「吸いますけど…」
「ただいま窓側の雑誌コーナーをご用意出来ますが」
「ここ、コンビニですよね?」
「お客様、それは世を忍ぶ仮の名前で本当の名前は…」
「名前は?」
「コンビニエンスストアです」
「なんなんですか」
「ジョークですよ、フランチャイズジョーク」
「変わったお店ですね」
「独創性を経営方針にしております。もう焦げたからあげくんとは言わせません」
「誰が言ってるんですか」
「どうぞ心ゆくまで衝動的に浪費して下さい」
「大きな世話ですよ。まあいいや、えーと、カップ麺はと…」
「お待ちのお客様、こちらへどうぞー」
「あ、今日は焼ソバにしようかな」
「お待ちのお客さまー」
「でも焼ソバと言いつつ茹でてるよね」
「お待ちのお客さまー」
「あの、まだなにも決めてないので、声かけるのやめてもらえませんか?」
「お客様をお待たせする前に声を出す。接客の鉄則です」
「買い物に集中できないんですよ。他にお客さんいないみたいですし」
「失礼しました。どうぞごゆっくりと買い物依存症の欲求をお満たし下さい」
「依存症じゃないです。ああもういいや、ポテチとお弁当とお茶で」
「ポテチにお箸はお付けしますか?」
「あー、手に油がつくの気になる人いますよね」
「お弁当は温めますか?」
「お願いします」
「温めかたが人肌、中身破裂、容器溶解とありますが」
「どれも嫌ですよ。普通にお願いします」
「ご一緒にお茶も温めますか?」
「あったかいの欲しいならホットのやつ買ってますって」
「ご一緒にスイーツはいかがでしょう?」
「あ、いいですね。じゃあ、このプリンでも」
「はい。ぶくぶくリバウンドプリンですね。ありがとうございます」
「嫌な名前だなあ」
「温めますか?」
「そんなわけないでしょう」
「お客様、ただいまキャンペーン中につき、おにぎりの海苔を一枚おつけいたしますが」
「いりませんよ。どんなキャンペーンですか」
「お会計1010円になります」
「電子マネーは使えますか?」
「オレンジカードか偽造テレフォンカードをお使いいただけます」
「どっちも電子マネーじゃないし、古すぎます」
「ミニスカ時代の森高千里はプレミア付きです」
「知りませんよ。じゃあ、1100円から」
「おつりはご入り用でしょうか?」
「当たり前でしょう」
「おっと、こんなところに募金箱がございます。いかがなさいましょう?」
「わざとらしい言い方ですね。いやですよ」
「かしこまりました。ご安心下さい。資本主義は搾取する側の罪は問われません」
「わかりましたよ募金しますよ。はい」
「小銭だらけの募金箱にたまにお札が入ってて目立ちますよね」
「そうですね。きっと優しいお金持ちの方なんでしょうね」
「まあ、あれは客寄せパンダのつもりで・・・」
「あー、もういいです。聞きたくない」
「まあ、善意すらもコンビニエンスに満たせるわけですよ。お客様」
「急に社会風刺っぽくなってもオチませんよ」
「・・・今度からレジ前にでもオチを置いておきます」
10月10日でしたね。
去年に引き続き乗り遅れて13日に書いていたりしますが、ボクらしいと言えばボクらしい。
まあ、こうして一年に一度の更新というのもオツなものかもしれません。
先日、回転寿司に行って一皿1貫のトロにするか一皿2貫のメバチマグロにするか悩んでるボクを尻目に、
息子がトロを2皿食べていました。粋な男です。
先日の猛威を振るった台風が夏の残り香をすっかり運び去ってしまったようで、
高い空の晴れの日が続いていますね。皆さんお風邪などお召しになっていないでしょうか。
ボクは近頃罹ってしまい、今年初めての休肝日を作りました。まあ、要は相変わらずってことです。
こうして、何かが変わったり変わらなかったりしながら今年のマグロの日も過ぎていきましたとさ。
今年もマグロの日を祝う方々にTBしたかったのですが、日にちも違うことですし、今年はここでひっそりと。