yuuは友達たちと園内の広場を駆け回り、ツマはお母さん仲間たちとのおしゃべりに興じる、そんないつもの保育園のお迎えの時間に、綺麗な月がぽっかりと上がっていたそうです。
それに気がついて空を見上げたのはお母さんたちではツマひとり。
駆け回る子どもたちではyuuひとり。
それから二人は、薄暮に浮かぶ月を眺めながら家に帰ってきたそうです。
ボクはそれをツマから聞いて、彼女と彼をボクに引き合わせてくれた全ての要素に感謝したくなりました。
2007年03月01日
2007年02月15日
二月十四日、居酒屋にて
仕事帰り、嵐の夜に煌々と明りを灯す小さな居酒屋に駆け込む。
今日の乾杯の台詞は「おめでとう」そして「ありがとう」
外は嵐。
食後には親子合作のお菓子とメッセージ。
外は嵐。
いつもの他愛のない話のなかで「来年の抱負は?」と問われ「去年と同じ」と、やはりいつもの他愛のない答えを返す。
店を出たら、嵐はすっかり雲を吹き飛ばして、どこかに去っていた。
だから僕は星にただ一つだけ他愛もなく願う。
来年も今年と同じでありますようにと。
今日の乾杯の台詞は「おめでとう」そして「ありがとう」
外は嵐。
食後には親子合作のお菓子とメッセージ。
外は嵐。
いつもの他愛のない話のなかで「来年の抱負は?」と問われ「去年と同じ」と、やはりいつもの他愛のない答えを返す。
店を出たら、嵐はすっかり雲を吹き飛ばして、どこかに去っていた。
だから僕は星にただ一つだけ他愛もなく願う。
来年も今年と同じでありますようにと。
2006年12月22日
午前零時を過ぎたら
一番に届けよう
2人の間だけでブームの深夜番組がある喜びを
風音唸る夜に寄せ合う肩の温もりを
綺麗な月が上がる夜に響くふたつの足音を
コーヒーの芳香と目玉焼きの湯気で彩られた目覚めを
一言だけに余さず込めて。
「おめでとう」
2人の間だけでブームの深夜番組がある喜びを
風音唸る夜に寄せ合う肩の温もりを
綺麗な月が上がる夜に響くふたつの足音を
コーヒーの芳香と目玉焼きの湯気で彩られた目覚めを
一言だけに余さず込めて。
「おめでとう」
2006年10月07日
生まれてきた意味
「悲しいっていうのは嘘だな。そういうんじゃない」
「うん」
「チーちゃん、ベランダの鉢に埋めたよ」
「うん」
「こんもりしてたところがさ、少しだけ小さくなってきたよ」
「うん」
「土に還ってるんだな」
「うん」
「なんであんなに長生きしたんだろうなあ」
「うん」
「多分、少しでも長く俺と一緒にいたかったんだろうなあ」
「うん」
電話嫌いの父からの長電話がありました。
以前お話したチコです。
良い別れができたみたいで、ボクも嬉しいです。
君のおかげで父は沢山の愛を生み出すことができたよ。
これからもきっと。
ありがとう、チコ。
これほど愛し愛される猫もいれば、そうでない猫もいます。
チコは父が愛するために生まれ、父はチコを愛するために生まれた。と、言ったら傲慢でしょうか。大袈裟でしょうか。
罪の無いこの子たちを
全ての生き物に生まれてくる理由があるとして、この子猫達の生まれた意味は何なのでしょうか。ボクは答えを知りません。
「うん」
「チーちゃん、ベランダの鉢に埋めたよ」
「うん」
「こんもりしてたところがさ、少しだけ小さくなってきたよ」
「うん」
「土に還ってるんだな」
「うん」
「なんであんなに長生きしたんだろうなあ」
「うん」
「多分、少しでも長く俺と一緒にいたかったんだろうなあ」
「うん」
電話嫌いの父からの長電話がありました。
以前お話したチコです。
良い別れができたみたいで、ボクも嬉しいです。
君のおかげで父は沢山の愛を生み出すことができたよ。
これからもきっと。
ありがとう、チコ。
これほど愛し愛される猫もいれば、そうでない猫もいます。
チコは父が愛するために生まれ、父はチコを愛するために生まれた。と、言ったら傲慢でしょうか。大袈裟でしょうか。
罪の無いこの子たちを
全ての生き物に生まれてくる理由があるとして、この子猫達の生まれた意味は何なのでしょうか。ボクは答えを知りません。
2006年06月24日
いつもありがとう
相変わらず出遅れていますが、父の日でしたね。
数日前から、yuuがなぜかボクに玩具箱を開けさせないので、不思議に思っていたのですが、当日になってやっと気がつきました。
yuuが「いつもありがとう」という台詞と共に、小さな手で手渡してくれたのは、靴磨きでした。ケースにはボクの似顔絵が描かれています。
ボクも子どもの頃、親の似顔絵を書いたりしましたが、子ども心にちっとも写実的でない絵なんか嬉しくないだろうな。なんて思っていました。
でも、違うんですね。
ああ、この気持ちをどうして君に伝えようか。
君がくれた靴磨きで磨いた靴を履いてボクは仕事に出かけます。
君がくれた幸せで磨いた心を持ってボクは今日も君を愛します。
いつもありがとう。
数日前から、yuuがなぜかボクに玩具箱を開けさせないので、不思議に思っていたのですが、当日になってやっと気がつきました。
yuuが「いつもありがとう」という台詞と共に、小さな手で手渡してくれたのは、靴磨きでした。ケースにはボクの似顔絵が描かれています。
ボクも子どもの頃、親の似顔絵を書いたりしましたが、子ども心にちっとも写実的でない絵なんか嬉しくないだろうな。なんて思っていました。
でも、違うんですね。
ああ、この気持ちをどうして君に伝えようか。
君がくれた靴磨きで磨いた靴を履いてボクは仕事に出かけます。
君がくれた幸せで磨いた心を持ってボクは今日も君を愛します。
いつもありがとう。
2005年12月05日
晴れでも雨でも君さえいれば
今日だけは君も脇役だよ。先生と友達と元気に遊んでおいで。必ず迎えに行くからね。
さて、と。
こぢんまりとした映画館に入って、ポップコーンとコーラを買って。
最新の映画ではないけれど、少しだけうるっとくる映画を観て。
それからちょっと離れているけど、映画の余韻を語り合うには丁度良い静かな店で食事をして。
ワインはハーフボトルだけど、昼の酔いにはそれで十分。
食後のコーヒーをいつもよりゆっくりと楽しんだら、腹ごなしにショーウィンドゥ眺めて歩こう。
今年はあれがいいんじゃない?あの半ズボンみたいなやつ。ああ、ショートパンツね。うん。じゃあそれ。
久しぶりに履いたヒールで足がくたびれてきたら、熱くて甘いココアを出すカフェにでも行こうか。
ホットワインもいいね。砂糖少し溶かしてシナモンスティックで掻き雑ぜてさ。
きっとまた僕等、去年のこの日の話をするんだろうね。
近頃早い夕日が沈んだら、残念だけどタイムアップ。急いで帰ろ。手を繋いで点滅してる信号駆け抜けて。
さあ、今度は3人であの唄を歌おう。今日、ロウソクの日を消すのは君の番。
ハッピイバースデイ。
おっと、花束を買うのを忘れないようにしなきゃ。
君は花がよく似合うから。
続きを読む
さて、と。
こぢんまりとした映画館に入って、ポップコーンとコーラを買って。
最新の映画ではないけれど、少しだけうるっとくる映画を観て。
それからちょっと離れているけど、映画の余韻を語り合うには丁度良い静かな店で食事をして。
ワインはハーフボトルだけど、昼の酔いにはそれで十分。
食後のコーヒーをいつもよりゆっくりと楽しんだら、腹ごなしにショーウィンドゥ眺めて歩こう。
今年はあれがいいんじゃない?あの半ズボンみたいなやつ。ああ、ショートパンツね。うん。じゃあそれ。
久しぶりに履いたヒールで足がくたびれてきたら、熱くて甘いココアを出すカフェにでも行こうか。
ホットワインもいいね。砂糖少し溶かしてシナモンスティックで掻き雑ぜてさ。
きっとまた僕等、去年のこの日の話をするんだろうね。
近頃早い夕日が沈んだら、残念だけどタイムアップ。急いで帰ろ。手を繋いで点滅してる信号駆け抜けて。
さあ、今度は3人であの唄を歌おう。今日、ロウソクの日を消すのは君の番。
ハッピイバースデイ。
おっと、花束を買うのを忘れないようにしなきゃ。
君は花がよく似合うから。
続きを読む
2005年07月22日
青春の一形態
今日は結婚記念日でした。
4年前の今日は雨男、雨女のボクたちにしてはとてもよく晴れて、式場に着くまでに汗だくになってしまいそうでした。
家を出ると住宅地を彷徨う空車のタクシーがいるではないですか。今日はついてる。
ボクたちはいわゆるできちゃった婚で、真夏の結婚式もお腹が大きくなる前に式をあげたいからでした。
妊娠の報告、婚約の挨拶、式の段取り、新居探し。
決めなければいけないことは山程ありました。
当時のボクは激変していく周囲の環境に対抗するように、とにかく「自分の力で生きていく」という幻想にしがみついていました。
どんな強風も身体を硬直させて正面を向き、どんなに早い流れでも歯を食いしばって足を踏んばって、ボクの耳には誰の声も届いていませんでした。
そんなボクのそばにいる身重なツマはさぞ心細かったことと思います。
本来やすらぎを受け取れる存在から、厳しさを与えられていたのですから。
ボクが未熟であることは時に罪であることを知るのは、もう少し後のことでした。
結婚式の翌日、1泊したホテルから新居に帰ってきた瞬間に2人の生活は始まりました。
新婚旅行にも行かず、まだ家具が揃ってない部屋はほんとにがらんとしてて、今までいかに物に囲まれて生きてきたかがよくわかります。
でもその部屋での生活はとても静かで、少しだけ時間の進みが遅いような、そんな気がする心安らかなる日々でもありました。
yuuが生まれて、静かさが慌ただしさに変わり、ツマも新しい仕事を見つけた今では、望むべくもない過去ですが、この日になると当時のことを思い出したりします。
4年前の今日は雨男、雨女のボクたちにしてはとてもよく晴れて、式場に着くまでに汗だくになってしまいそうでした。
家を出ると住宅地を彷徨う空車のタクシーがいるではないですか。今日はついてる。
ボクたちはいわゆるできちゃった婚で、真夏の結婚式もお腹が大きくなる前に式をあげたいからでした。
妊娠の報告、婚約の挨拶、式の段取り、新居探し。
決めなければいけないことは山程ありました。
当時のボクは激変していく周囲の環境に対抗するように、とにかく「自分の力で生きていく」という幻想にしがみついていました。
どんな強風も身体を硬直させて正面を向き、どんなに早い流れでも歯を食いしばって足を踏んばって、ボクの耳には誰の声も届いていませんでした。
そんなボクのそばにいる身重なツマはさぞ心細かったことと思います。
本来やすらぎを受け取れる存在から、厳しさを与えられていたのですから。
ボクが未熟であることは時に罪であることを知るのは、もう少し後のことでした。
結婚式の翌日、1泊したホテルから新居に帰ってきた瞬間に2人の生活は始まりました。
新婚旅行にも行かず、まだ家具が揃ってない部屋はほんとにがらんとしてて、今までいかに物に囲まれて生きてきたかがよくわかります。
でもその部屋での生活はとても静かで、少しだけ時間の進みが遅いような、そんな気がする心安らかなる日々でもありました。
yuuが生まれて、静かさが慌ただしさに変わり、ツマも新しい仕事を見つけた今では、望むべくもない過去ですが、この日になると当時のことを思い出したりします。
2005年07月12日
2005年01月26日
最愛と言わなくなったのは本当に
このカテゴリでこの人を外すわけにはいきません。
ツマです。
彼女はこんな人です。
短絡的で、
直情的で、
感受性が強くて、
頭が良くて、
行動派で、
保守的で、
気分屋で、
勝負強くて、
ひたむきで、
人が苦しんでるのを、頭より身体がほっとけなくて、
昔、2人で車に乗っているとき、目の前の信号でバイクが転びました。
「あ・・・。」
確かこんなことを考えていたと思います。
助けたほうがいいかな?でも、元気そうだな?対したことないのに、大げさに助けに行ったら、転んだ人も恥ずかしいだろうしな。でも、大丈夫かな?どうしようかな。
でもツマ(当時カノジョ)はすぐさま車から飛び出し、バイクの人に駆け寄りました。
結局、バイクの人は自力で立ち上がり、事なきを得ましたが、その行動は、なりっとの「シリョブカサ」を蹴散らされました。「小賢しい!」と。
勿論、善意の押し売りはズルイ自己満足だと思います。失敗を恐れて、行動できなかった時の失敗は、人を不幸にはしないかもしれません。でも、でも、人を幸福にもしません。
「失敗の可能性より、成功の可能性を取る」
彼女の行動は、この事をなりっとの小さな頭が紡ぐ言葉なんかより、ずっと、ずっと雄弁に語ってくれました。
彼女は、あの時のことを憶えているだろうか。
風花-「ドキドキ」へのトラックバックです。
ツマです。
彼女はこんな人です。
短絡的で、
直情的で、
感受性が強くて、
頭が良くて、
行動派で、
保守的で、
気分屋で、
勝負強くて、
ひたむきで、
人が苦しんでるのを、頭より身体がほっとけなくて、
昔、2人で車に乗っているとき、目の前の信号でバイクが転びました。
「あ・・・。」
確かこんなことを考えていたと思います。
助けたほうがいいかな?でも、元気そうだな?対したことないのに、大げさに助けに行ったら、転んだ人も恥ずかしいだろうしな。でも、大丈夫かな?どうしようかな。
でもツマ(当時カノジョ)はすぐさま車から飛び出し、バイクの人に駆け寄りました。
結局、バイクの人は自力で立ち上がり、事なきを得ましたが、その行動は、なりっとの「シリョブカサ」を蹴散らされました。「小賢しい!」と。
勿論、善意の押し売りはズルイ自己満足だと思います。失敗を恐れて、行動できなかった時の失敗は、人を不幸にはしないかもしれません。でも、でも、人を幸福にもしません。
「失敗の可能性より、成功の可能性を取る」
彼女の行動は、この事をなりっとの小さな頭が紡ぐ言葉なんかより、ずっと、ずっと雄弁に語ってくれました。
彼女は、あの時のことを憶えているだろうか。
風花-「ドキドキ」へのトラックバックです。
2005年01月07日
親友たち〜その1〜
昔、先生がよくこう言ってました。
「本当の親友は一生涯に1人か2人出来れば良いほうだ」と。
その先生は好きでしたが、その言葉は嫌いでした。
「そんなことはない。だって、今の自分には複数の親友がいる」
そう思っていました。
その時の親友の顔ぶれも少しは変わりましたが、今だに沢山の親友がいます。
勿論、人数なんかじゃないですけど、ひとりひとりが本当に大切な人達です。
でも、なりっとも含めて皆大人になるにつれて世界が広がり、いつもいつでも一緒には、いられなくなってきました。その中で特に会えなくなってしまった人に、Hがいます。
Hは学生時代からスポーツ万能、成績優秀な優等生でした。真逆のなりっとが、彼と仲良くしているのは、少し不思議な気もします。
彼はその優秀さからか、はたまた色々なことを引き受けてしまう性格のよさからか、平日は遅くまで仕事、週末は勉強と、超多忙な毎日を送っています。そして寸暇を惜しんでなりっと達とも遊んでいました。
そんな彼に将来を考えるような彼女ができました。でも、もう彼には彼女にあげる時間がありません。まじめな彼は、なりっと達にこう言いました。
「君達よりも、彼女の方を優先したい。」
その言葉に、なりっと達の誰一人として否定的な意見は出なかったと思います。
それから程なくして、彼から結婚の報せが届きました。なりっと達は喜んで、その日が来るのを心待ちにしていました。でもその日が来ることはなく、代わりに結婚破談の報せが届きました。親戚にも結婚を発表し、式場の目星もつけた後だったそうです。
彼が彼女のために確保した時間を再びなりっと達と共有することはありませんでした。
その行動は、なりっとの目には彼がなりっと達を避けているように映りました。
そんな時間が続くと、なりっと達とHの人間関係も希薄なものになって行きました。
彼の付き合いの悪さから、なりっと達も批判的な意見が増えていきます。なりっとも実はそう思っていました。でも、なぜだかある日こう思いました。
「もし、彼が昔と変わらず、自分達をまだ親友と思っていてくれているのならば、いつか必ず彼は戻ってくる。でも、その時に自分達が変わってしまっていて、彼の戻る場所がなかったら、今度は本当に親友を失うことなるし、彼にも親友を失わせることになるんじゃないか」
そう思えたら気が楽になって、逆に彼のその時の心境に想いを馳せることが出来るようになりました。そうしたら今度は別の親友でHの双子の兄のTが、
「あいつ(H)は今でも、おまえらのことを本当の親友だと思ってる」
大切な人を想う気持ちは、自分も相手も助けるのだと思います。
一見、具体的な問題の解決に貢献してないようなことでも、その根底に相手を真に想う気持ちがあれば、いつか必ず、必ずその問題は良い方向に向うような気がします。
あまりに子どもっぽい考えですが、今はそう信じられます。
今、Hは本当の伴侶を見つけ、なりっとと同じ年でありながら、新築一戸建てを購入しました。Hとは今も昔も親友です。きっと、これからも。
「風花」-やっぱり見損なった紅白へのトラックバックです。
「本当の親友は一生涯に1人か2人出来れば良いほうだ」と。
その先生は好きでしたが、その言葉は嫌いでした。
「そんなことはない。だって、今の自分には複数の親友がいる」
そう思っていました。
その時の親友の顔ぶれも少しは変わりましたが、今だに沢山の親友がいます。
勿論、人数なんかじゃないですけど、ひとりひとりが本当に大切な人達です。
でも、なりっとも含めて皆大人になるにつれて世界が広がり、いつもいつでも一緒には、いられなくなってきました。その中で特に会えなくなってしまった人に、Hがいます。
Hは学生時代からスポーツ万能、成績優秀な優等生でした。真逆のなりっとが、彼と仲良くしているのは、少し不思議な気もします。
彼はその優秀さからか、はたまた色々なことを引き受けてしまう性格のよさからか、平日は遅くまで仕事、週末は勉強と、超多忙な毎日を送っています。そして寸暇を惜しんでなりっと達とも遊んでいました。
そんな彼に将来を考えるような彼女ができました。でも、もう彼には彼女にあげる時間がありません。まじめな彼は、なりっと達にこう言いました。
「君達よりも、彼女の方を優先したい。」
その言葉に、なりっと達の誰一人として否定的な意見は出なかったと思います。
それから程なくして、彼から結婚の報せが届きました。なりっと達は喜んで、その日が来るのを心待ちにしていました。でもその日が来ることはなく、代わりに結婚破談の報せが届きました。親戚にも結婚を発表し、式場の目星もつけた後だったそうです。
彼が彼女のために確保した時間を再びなりっと達と共有することはありませんでした。
その行動は、なりっとの目には彼がなりっと達を避けているように映りました。
そんな時間が続くと、なりっと達とHの人間関係も希薄なものになって行きました。
彼の付き合いの悪さから、なりっと達も批判的な意見が増えていきます。なりっとも実はそう思っていました。でも、なぜだかある日こう思いました。
「もし、彼が昔と変わらず、自分達をまだ親友と思っていてくれているのならば、いつか必ず彼は戻ってくる。でも、その時に自分達が変わってしまっていて、彼の戻る場所がなかったら、今度は本当に親友を失うことなるし、彼にも親友を失わせることになるんじゃないか」
そう思えたら気が楽になって、逆に彼のその時の心境に想いを馳せることが出来るようになりました。そうしたら今度は別の親友でHの双子の兄のTが、
「あいつ(H)は今でも、おまえらのことを本当の親友だと思ってる」
大切な人を想う気持ちは、自分も相手も助けるのだと思います。
一見、具体的な問題の解決に貢献してないようなことでも、その根底に相手を真に想う気持ちがあれば、いつか必ず、必ずその問題は良い方向に向うような気がします。
あまりに子どもっぽい考えですが、今はそう信じられます。
今、Hは本当の伴侶を見つけ、なりっとと同じ年でありながら、新築一戸建てを購入しました。Hとは今も昔も親友です。きっと、これからも。
「風花」-やっぱり見損なった紅白へのトラックバックです。



